あいらぶ先輩!


「お前に用なんかねぇよ。」


近寄ってきた爽司は、そう吐き捨てるとあたしに目線を合わせた。


その瞬間ビクっと体が強張った。


これから言われる言葉を想像したら、足がすくみそうになる。





「...別れる?」





その言葉が胸をえぐる。


一番、爽司の口から聞きたくなかった言葉。





別れたくない...。



即答できない自分がいた。



爽司はあたしのことが嫌いになった?


好きじゃなくなったの?


爽司は別れたいの?




あたしと別れることが、爽司にとって良い事?





いっぱい聞きたいことがあるのに、聞けないあたしは...。


臆病者だ。

傷つきたくない、弱い気持ちがあたしを素直にさせてくれない。




別れたくないのに...。







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