あいらぶ先輩!
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あたしが連れてこられたのは、ハルキの家だった。
まだ真新しいキレイなマンションの5階。
腕を引っ張られて、部室かどっかに連れて行かれると思ってたのが、学校から出たから一瞬ためらったけど...。
いいや...。
半ば投げやりな気持ちだった。
「はい。」
白いローテーブルにコトンと置かれたマグカップ。
湯気が出てるソレはココアだった。
「ありがと...。」
ハルキの部屋は広くて、必要最低限のものしか置かれていない。
モノトーンで、簡素化されたリビング。
かすかに、ハルキから薫るシトラスミントの香りがあたしの鼻を掠めた。