あいらぶ先輩!
甘いココアがあたたかに沁み渡る。
まるでモデルルームみたいに片付いたリビングは、何だか生活感がないように思えた。
ソファに腰掛け、ココアをすするあたしの顔を、ハルキはずっと見据えている。
ひしひし感じる視線がむずがゆくて、あたしは口を開いた。
「...家族の人は?」
上がらせてもらっちゃって良かったのかな?
「...いねーよ、そんなもん。一人暮らしだし。」
そう言って笑ったハルキの顔は何だか切なかった。
あれ?でも...。
「理事長がお父さんなんでしょ?」
留美から聞いた話では、
ハルキは理事長の息子だって...
「ホントの親じゃねーから。」