あいらぶ先輩!
理事長、瀬戸 聡史(せと さとし)さんは、ハルキのお母さんと交際していたらしい。
そして、子供が出来た。
その子供が、ハルキで。
理事長とハルキのお母さんは結婚。
そして、ハルキは生まれた。
でもハルキが1歳になった時、ハルキのお母さんは記入済みの離婚届と手紙を残して、行方不明になった。
手紙の内容は、信じられないもの。
″晴希の父親はあなたじゃない″
手紙には″ごめんなさい″といった謝罪がたくさん綴られていたらしい...。
理事長は思い悩んだけれど、ハルキを一人で育てることに決めたんだって...。
「...さとさんには感謝してるんだ。
オレを見捨てないでいてくれて。」
ハルキは小学六年生まで理事長を本当のお父さんと信じていたけれど、中学に上がってすべてを知らされたらしい。
理事長のことを″お父さん″と呼べなくなったハルキ。
切なげに笑うハルキの手を、あたしは握った。
あたしにはちゃんとお父さんとお母さんがいる。
ハルキがどんなに悩んで、苦しんだかなんて、わかりきれないけど...。