あいらぶ先輩!
《あっ!やっと出た!るい先輩!》
キーンと響く高い声。
あたしが思っていた声と、真反対の女の子の声。
―――璃乃ちゃんだ...。
でも、なんで璃乃ちゃんが
爽司の携帯であたしに電話かけてるの?
《先輩っ。今、瀬戸先輩と一緒にいるんですか?》
《あ...。うん。》
《カバンどうすればいいですか?》
あ、そう言えば...。
そのまま出てきたから、カバンは学校にあるんだっけ...。
「璃乃ちゃんだった。
カバンどうする?って。」
あたしは携帯を押さえて、ハルキに聞いた。
「取りに行くか?」
「あ、うん。」
《もしもし、璃乃ちゃん?
今から取りに行くっ。》
《わかりました。待ってますね。》
《ちょっ、待っ...》
可愛らしい声から、ツーツーという機械音に変わる。
何で爽司の携帯から電話しているのか、聞く暇もなく電話が切られた。