あいらぶ先輩!



「でも悟は言ったの。

″別れたくない″って。

男のクセして、泣きそうになりながら。」




あたしはかける言葉なんて見つからなくて、ただ黙って静かに留美の言葉に耳を傾けていた。




「別れようと思った。

...けどもう無理だったの。

好きになりすぎてたんだ。



それから、今現在も継続中。」







″不倫″はいけないこと。


それは間違いない。


留美が付き合ってる人には″家庭″があるんだもの。




でも...






「あたし一時期、悟をすごい憎んだ。

どうして結婚してるのにあたしを抱いたの、って。


でも悟だけが悪いんじゃない。

あたしも悪いの。」











その大きなハッキリとした瞳からは今すぐにでも涙が零れ落ちそうなのに、留美は泣かなかった。



それは、留美が自分自身に課した戒めなんだろう。



< 46 / 191 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop