あいらぶ先輩!
「あのさ、久々にlulu milk行かない?あたし、今日無性にケーキ食べたいんだよねぇ~。」
渡り廊下を歩いて、角にさしかかったとき、いきなりさくらが提案した。
「あー、ソレいいっ。最近行ってなかったしね。るいは?デート?」
留美もあの彼氏との予定はないようで。
爽司もそろそろ部活に参加しなきゃみたいな雰囲気だったし、久々だし、行こっかな。
「うん、行こっか―――――...っ!?!?...」
そう、言い終えようとした瞬間。
視界が急にグラリと揺れて、猛スピードで顔が地面に近づいて。
腕と足に強烈な痛みが走って、気づいた。
「ちょっと!大丈夫!?るいっ!」
「怪我ないっ!?大丈夫!?」
留美とさくらが急いで駆け寄ってくる。
けれど、あたしはその呼びかけにも答えずに、ただカタカタと震えていた。
落ちる瞬間、背中にハッキリと感じた人の手。
――――――今、誰かに押された?
こみあげてくる恐怖。
震えが、止まらない...。