あいらぶ先輩!
「ちょっと。オレのこと忘れてる?」
ハルキの声...
ってはっ!ハルキがいたんだった...。
あたしはすぐさま爽司の腕を解こうとした。
けれど、爽司は離すどころかよりいっそう腕の力を強める。
「ちょ、爽司っ。恥ずかしいよ...!」
そう言って腕を解こうと試みるけど、やっぱり動かない。
「見せつけてくれちゃって。
...るい、良かったな?」
ハルキがあたしの目の前に来て、微笑む。
いやがらせの犯人を見つけてくれたのも(あたしとしてはリカだったってのはすごく複雑)、
こうして爽司の誤解が解けたのも、みんなハルキのおかげ。
感謝してもしきれないよ...。
「ありがとうっ、ハルキ!」
「...お礼はキスでいいよ?」
「キッ...!?!?」
なっ、なっ、なんてことを!
爽司がいるのにぃっ。
「ざけんなっ。去れ!」
爽司がシッシッとあしらう。
そんな爽司にハルキは余裕そうにフッと鼻で笑って、
「心の狭ぇ男...。
じゃあな、るい。」
手をひらひらと振りながら屋上を出て行った。