あいらぶ先輩!
ハルキが出て行った後あたしは抵抗を止めて、再度爽司の手に触れた。
「ねぇ爽司、なんでここにいるってわかったの?」
どうしても腑に落ちない疑問。
今は休み時間だとしても、わざわざ屋上に来る?
「...あのヤローに呼び出された。」
...ハルキが?
爽司のこと呼び出したの?
じゃあ、リカもハルキが呼んだんだよね...。
あたしは、隠されたハルキの優しさがじぃんと心に沁みた。
ハルキが、仕組んでくれたんだ...。
あたしと爽司を元に戻すため。
″るいの支えになりてぇ″って言葉...。
とても、嬉しくなった。
「るい。」
口を噤んでいるあたしは回転させられ、爽司と目が合う。
「...好きだ。」
ゆっくりと爽司の顔が近付く。
唇が重なるまであと5センチ。
...あと1センチ。
あたしはゆっくりと目を閉じる。
やがて、二人の距離はゼロになった。
「...っ...。」
あたたかくて、優しいキス。
あたしの胸に愛しさがこみ上げた。