世界一の君へ、花束を


「じゃあ、また。」

私は手を振った。

「あっ、待って!」

城坂くんに呼び止められた。

「名前は?」

あっ!そうだった!

名前も言ってなかった!!

相当てんぱってたからかな。

何やってんだ、私。

「えと、春川優子です!ちなみに、2-Cです!」

「ん。了解。じゃ。気をつけて。」

「うん。またねー!」

私たちは別れた。

なんだか後ろ髪を引かれている感じで、もう一回振り返った。

城坂くん、もう帰っちゃったかなーって思ってたけど、ちゃんとそこにまだいた。

すると、城坂くんはぺっこりとお辞儀をした。

私もした。

初めて、城坂くんの優しさを知った。

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