躾と束縛と愛情【短篇】
 


「……バカ」



ぎゅっ、と。

胸に顔を寄せるように抱きつくやわらかな温もりをしっかりと抱きとめて。




「……ズルいのは、私じゃなくて、柾巳くんだよ」




さり気なさを装った口調で紡がれた彼女の言葉に、胸の裡側があまく擽られた。




20101122


(ああ、お前にはかなわない)

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