躾と束縛と愛情【短篇】
「やだ」
きっぱり、と。
可愛らしい君は今日もつれない。
けれど、いつもの事だと堯を括り、滑らかなカーブを描く白磁の頬へと唇を寄せる。
と。
「やだ…っ、だめだってば!」
べしっ、と。
痛みはないけれど盛大な音を立てて、彼女の掌に近づけた顔を押し返された。
「……ちょっとひどいだろ、あかり」
愛しい君に関しては寛容な(要は甘い。甘過ぎるかも知れないほどに…)オレでも、さすがにムッとなる。