秘密のMelo♪y①*日本編*
ドキドキの入学
――ふと見上げると……雲一つない青空。
少し目線をずらせば……一面ピンクが広がる。
「……風吹けば 舞い散るピンクの 春の雪」
…う~ん…。
春、だねぇ…。
少し強い風が頬を撫で、流れる髪を手で押さえる。
あたしは今日、ここ宝院音楽学校に入学するためにパリから日本へ帰って来た。
実に七年振りだ。
「あー…君?」
感慨にふけるあたしに、少し高めの男の人の声がかかった。
邪魔されたことに少しむっとして振り返る。
「ここ高校卒業してからやで、入れるん」
さばさばした関西弁の物言いが似合わないほどに綺麗な顔立ちをしている。
そして……言うことはとっても失礼だ。
「あたし卒業してます」
「あれ、そうなん? そら悪かったなあ。あんまり可愛らしいからつい、な」
それはつまり……子供っぽいって言ってるんでしょう。
ふん。いいもんね。
「あら、怒ったん? 君名前は?」
「……武藤真緒ですけど」
「へー! 名前まで可愛いやんね」
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