秘密のMelo♪y①*日本編*
「きっ、気のせいだよ…」
どちらかというとかっくんに向けての言葉ではなく、自分に言い聞かせるようにそう言ってさりげなく離れた。
「あっそ…」
あっそて…。
しかももう行っちゃうんだ。
「待ってったら置いてかないでよー」
いつもならここで駆け寄って、指の一つでも握るとこだけど…なぜかそれができなかった。
へんに意識しちゃってる。
「…?」
「ん? なあに?」
「いや…」
「あ、来たよ来たよ」
ちょうどいいタイミングでエレベーターが降りてきた。
「梨音がきっと待ってるよ。かっくんのこと大好きみたいだもんね」
「あいつ可愛い」
「だよね~♪」
さすがのかっくんも子犬には弱いみたいで、部屋に入るなりじゃれてくる梨音には笑顔を見せる。