秘密のMelo♪y①*日本編*
「んじゃ、今度こそいっきまーす」
そう言って構えた瞬間、表情ががらりと変わった。
「…!」
その顔は……俺が探し求めた、“藤峰真裕”のものだった。
…正直言って、圧倒された。
あの小さな体のどこからそんな音が出せるのか。
どれほどの感性を持っているのか。
俺では…絶対に敵わない。
心の底からそう思った。
とても真裕らしい音。
音楽を、バイオリンを愛しているのがよく伝わる。
楽しんで演奏しているのがよく伝わる。
俺やそこらの演奏者とはそこが違うのだろう。
こんな音は、到底出せない。
―ギィン
「……」
「……」
「……」
「……は?」
……いや…なんだ今のは。
「……えへ。間違えちった」
「……」