秘密のMelo♪y①*日本編*
蓮くんに促されて、涙目で頷く。
「何で切ったらそんなことに…って……」
「…? どったのりんりん」
「ちょっと…これ、やりすぎじゃない…?」
驚きの声で机の中からりんりんが取り出したのは、いわゆるかみそりというやつだった。
「まさか手ぇダメにしようとしたんちゃう?」
音楽家の命ともいえる手。
それを狙ったとしか思えないってことはそういうことだ。
さすがにちょっとショックだった。そんなにまで思われるって…あたしほんとになんかしたの?
「それはあとだ。行くぞ真緒」
あたしの右手首を強く掴んで引っ張りながら、かっくんが言った。
「かっくんいたい」
「止血だバカ」
…あ。ほんと。
血が……ぼたぼたと。
「……かっくん」
「ん?」
「まお悪いことしたのかな」
「……いや。お前は何も悪くねぇよ」
そう……かな…。