秘密のMelo♪y①*日本編*
お母さんや父様のおかげでバイオリンが出来てるのは確かだと思う。
でも……それに縋ってると思われたくなくて。
藤峰洋平の、藤峰真琴の娘としてじゃなく、あたしを『藤峰真裕』として見てもらえるように頑張ってきたんだ。
なのに……やっぱり、ダメなのかな。
あたしはあくまで、『藤峰洋平の娘』なんだ。
「ま……真緒?」
「…………」
「真緒ちゃんどうしたの…?」
「…どうもしないもん」
それでも、バイオリンを続けられるだけ幸せだと思わなくちゃいけないよね。
「……真緒、おいで」
見兼ねたかっくんが手招きをする。
そのままリビングの外に連れ出されると、かっくんは黙ってあたしの頭を引き寄せた。
「…例え、本当にお前が親の七光りと思われてようとも、俺にとってお前はお前だ。…誰もいないより、一人でもいた方がいいだろ?」
…一人でも。
……ううん。
なんでだろ。かっくんに言われると、誰に認められなくてもかっくん一人さえいてくれれば……それで。
それでいいって、そう思えた。
「ありが…とう…」
「ん……」
…そ…っか…。
あたしには、かっくんがいてくれたんだっけ…。