秘密のMelo♪y①*日本編*
とんでもないことを言いだす花梨になぜか乗ってくるのは、修平だけではなかった。
「楓くん…。君のよーに涼しい顔してるやつは、涼しい顔でいつかやらかすと思ってたよ」
「…あのな……」
こいつらいつかまとめてはっ倒す。
ついでに真裕も……。…は、まあ一曲弾くだけで許してやろう。
そんなことより偽藤峰真裕だ。
一体誰がなんのつもりでこんなことを…と言いたいところだが、誰が、というのに実は少し心当たりがある。
偽真裕と一緒にいたあの女。
主犯はおそらく本人ではなくあいつ。
付き人の男は偽物だと知らされてないようだったが…。
どういうつもりなのかは全く見当もつかない。
こんなことをして、あの女になんの得がある?
下手すりゃバレてさらに信用ガタ落ちだ。
世界中の恥さらしになる。
藤峰家の名を知らない者は、世界中探してもほとんどいないんじゃないかってほどにあらゆる面から有名だ。
音楽はもちろんのこと、MAKOTOという名の高級ブランドも知らぬ者はいないだろう。
経済の面でも、世界中の大企業をまとめる四大企業の一つを担っている。
そして音楽と並び最も名高いのが、あの家はもともとフランス貴族の家系だってことだ。
つまり真裕も純日本人ではなく…ほんの数代前まではフランス人だった。
クォーターほど濃くはないのかもしれないが、とにかくその血が流れている(はず)。
その証拠に、背は低いし髪は立派なほどに黒髪だが、やっぱり顔付きがどことなくそれっぽい。