秘密のMelo♪y①*日本編*

へらっと笑って片手で敬礼してみせ……。


「ああっ。真緒!」


……あ、ありがとうかっくん…。

危うく倒れるとこでした。


「ちょっと、そんな無茶しなくても…。今日はゆっくり休んでたら?」


「んーん。あたしやんなきゃなんないことあるから」


心配してくれるりんりんに言って、人が向かっているのと同じ方へ歩いた。



「……あたし?」

「今…あたしゆうたな」

「言ったね…」



「あ、ねえねえそこのお兄さん」


「は? 俺? …あ、なんだ真緒ちゃんか。なあに?」


あれ…。あたしんこと知ってるの?

…ってそうか。

結構みんな知ってたっけ。


「藤峰真裕のリサイタル会場ってどこ?」


「うちのホールだよ。今日は授業中止でみんなそこに集まるんだって」


「そうなんだ…。ありがとう」


「いえいえ……調子悪そうだけど、大丈夫?」


「ん……だいじょぶだいじょぶ」


足がもつれながら言うセリフじゃないかもしれないけど、またへらっと笑いながら返してホールに向かった。


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