秘密のMelo♪y①*日本編*
なんだかんだで、綺麗事で世の中やってはいけない。
それを嫌というほど味わってきたあたし。
「名前を守ることは、名誉を守ることじゃない。あたしにとってはそれらを守ることなんだ」
そのためになんと言われても構わない。
名声に縋るなんて厭らしいと思われたって構わない。
「…藤峰真裕の名前は、あなたなんかに渡せない」
「っな……」
…しばらく、あたりは静まり返った。
誰もが誰も、唖然と立ち尽くしていたのだ。
そしてあたしは……。
……熱でボーっとしてただけ。
「や……やっぱり、あなただって親や家に縋ってるんじゃないですか!」
人のことは言えないとでも言いたげだ。
でも違う。
「親のすねかじるのと、親の世話になるのとじゃ、ぜんっぜん違うのよ」
「それに…人の話聞いてなかったのかな?」
蓮くん…?
え? なに? どうしたの?
「真緒ちゃんは、家に縋ってるんじゃない。後継者として家を守ってるんだよ。君とは雲泥の差だ」