秘密のMelo♪y①*日本編*
あ……なんか今…蓮くんがかっこよく見えた。
元々顔はいいんだけど、ナルシストっぽいところがなんか三枚目に落としてたんだよね。
今すっごいかっこよかった…。
「そっ…」
「では! 藤峰真裕さんに登場していただきましょう!」
「え…」
あらあら…。
どうするのかな?
計画バレちゃったのに、続けるのかな?
舞台から聞こえてきたその声と、だんだん沸き起こる拍手。
二人の顔はみるみるうちに青ざめていった。
「……」
「ど、どうするのよ…っ」
「わ、わたくしに聞かないでくださいな! ご自分でご判断を」
「なに言ってんの? 元々あんたが持ち出した話じゃない! 絶対に大丈夫とか言いながら、本人こんなとこにいんじゃない!」
「……」
「い、いいわ。どちらにせよ、こんな小娘よりあたしのほうが上手いに決まってるわよ! で、出るわよ…」
口では自信ありげなことを言いながらも、手も唇も震え、脂汗をかいている。
所詮……覚悟のないものはそんなもんなのよ。
知らないのだわ。
舞台に立つ、覚悟を。