秘密のMelo♪y①*日本編*
ホンモノの覚悟
――楓サイド――
「で、出るわよ…」
震えながらそう言って、弓を握りしめて歩み出した偽真裕。
本人前にしてよくやるよ…。
―ざわっ…
「ん…?」
途端、会場内がざわめきだした。
どうも…“藤峰真裕”が現れたからではなさそうだ。
『……ればいいのよ!』
「え…!?」
聞こえてきた音声に一気に青ざめるうざい女。
それもそのはず、この声はその当人のものだ。
『でも…うまくいくかしら?』
『絶対に大丈夫ですわ。本物なんてどこにいるやも知れない身…。それにあんな七光りの餓鬼、今さら出てきたってどうてことないわよ』
『それもそうね…。じゃ、受けるわその話。“藤峰真裕役”、やろうじゃないの』
「これ…は…」
今回の取引の映像が、舞台に流れているらしい。
一体誰がこんなもん…。
「ちょっと…どうなってるの!?」
「藤峰真裕は偽物だったの!?」
「俺達を騙したのかよ!」
「出てきなさいよーっ!!」