秘密のMelo♪y①*日本編*
お母さんへのてがかり
「……は?」
「あ?」
「へ?」
「……痛い」
「蓮くんだいじょおぶ?」
蓮くんが病室を出ようと扉に手をかけたとき、それより一歩早く外から他の誰かが勢いよく開けた。
そのまま飛び込んできて、蓮くんをぶっとばしてしまったのだ。
「真裕お嬢様、ご無事で!? ああっ。なんとおいたわしい! そのような得体の知れない男に支えられねば身を起こせないとは…!」
「……」
「……」
「……なんやこいつ」
いや、ほんとだね。
なんやこいつ。
「しかしさすがですな! とても五年ぶりの舞台とは思えませなんだ」
「?? ?」
「あれでは私めがでしゃばることもなかったかもしれませんな」
えっと……。
「……誰…」
……でしたっけ。
「はうっ……!? …き、記憶喪失!?」
…いえ。違います。断じて。