秘密のMelo♪y①*日本編*
「お嬢様、私を覚えてらっしゃらないので…?」
本気で信じられなさそうな顔でまじまじとあたしを見るこの男の人…。
言われてみれば確かに、どっかで見たことが…?
「私です、神崎です!」
「かんざき? …おお! わかった!」
そうかそうか、どおりで見たことあるはずだ。
「思い出していただけましたか! いや~よかっ…」
「まおの偽物の付き人」
「……」
「……」
「……」
……じゃ、なかった?
一瞬だったから顔は見てないけど……この声、神崎という名。
つい数時間ほど前に聞いたばかりだ。
「ああ! そういえば。確かにそうね」
「なんやー? 偽物やと分かって本物に取り込もうっちゅーんか?」
「な、何を言うか貴様! 私は藤峰家に代々仕えてきた神崎家の嫡子だぞ! お嬢様がお小さい頃からお世話させていただいてきた、れっきとした本物の付き人だっ」
……神崎……。
…ああ!
「そ、そういえば……いつも後ろにお兄ちゃんが歩いてたっけ」
「そ、そうっ! そうですっ、それが私ですぅ~っ」