秘密のMelo♪y①*日本編*
……冷や汗。
もう冷や汗かきまくりだ。
藤峰真祐を捜してた?
どういうこと?
パニくるあたしに、しゅっちゃんがご丁寧なことにも、説明をしてくれた。
「藤峰真祐ゆーたら……“あの”天才か? お前と並ぶ……ちゅーか上回る?」
「あたしも知ってるわ。三歳のとき最初になんかの賞をとって以来、数々の音楽賞総ナメにした天才少女!」
「そうそう…それで、君が十三のとき準優勝した国際コンクールで優勝したんだよね? しかも十一で」
みんなの会話を耳にしながら、ごくりと喉を鳴らす。
「それにさ、確か世界的バイオリニストの藤峰洋平(ヨウヘイ)が父親だったわよね? あたしファンなのーっ❤」
「で……それがなに?」
暴走しかけるりんりんを押さえ込むと、かっくんに向きなおる。
蓮くん蓮くん…もう聞かないで!
あたしの切なる思いは届かなかった。
「藤峰真祐を捜してるのと真緒ちゃんと、何の関係?」
「捜してたっちゅーのはまああれやな。五年前ぱったり姿消してもうたしな」
幸い三人共気付いていない。
その藤峰真祐が、あたしだということに。