秘密のMelo♪y①*日本編*
ダダダダダッと、気持ちは全速力で走っている。気持ちはね。
ただ……。
「真緒っち可愛い~❤」
…ただ……。
体が追いついてないだけの話っていうかね。
りんりんね、人が一生懸命なのに可愛いとか言わないでよね。
「ふにゅ~…もうむりぃ」
「頑張りや真緒ちゃん! ほれ見てみい。目の前やんけ!」
「あ、ほんとだ」
目の前も目の前。
力尽きて止まった場所は、教室のドアの前だった。
少しだけ深く息を吸って、恐る恐る扉を開けた。
「うっ…」
そそくさと…一番背の高い、かっくんの後ろに隠れた。
皆さんの視線が痛いです。
あたし、こういうの苦手。
「すんませーん。迷ってしもて」
しゅっちゃんがへらへら笑いながら、睨む先生に謝罪ともいえぬ謝罪をする。