秘密のMelo♪y①*日本編*
肩をすくめて、巧みにかっくんの後ろに隠れながら中へ入った。
でも…それが失敗だということには、すぐに気付いた。
…かっくんて超注目される人じゃん!!
「…真緒ちゃんなにやってはるの?」
あとほんの数歩だというのに、さささっと移動してしゅっちゃんの後ろに隠れた。
「はふ~~~……」
数十分後、授業らしきものが終わり、力尽きて机に突っ伏した。
斜め前のほうでは、かっくんの周りにどわっと女の子達が押し寄せている。
あれじゃあ……大変だね。かっくん。
しみじみと同情を噛み締めた。
……のがバレたのかと思った。
一瞬、かっくんがぎろりとこっちを睨んだように思えたからだ。
なんだか目が…「同情するくらいなら助けろ」みたいな。
そんなこと言ってるように見えた。
「…押し寄せる 人波荒れゆく 海の波」
「あ、なんかうまい。語呂が」
「うん。語呂がいい」
あ、まじで? ありがとー。
……って褒めてないでしょそれ。
ピーンポーンパーンポーン
「ん?」
文句を言おうとしたあたしを邪魔したのは、スピーカーから鳴るチャイム音だった。