秘密のMelo♪y①*日本編*
そんな思いを汲み取ったのか、「防音してある部屋を音楽室っつーんだと」と言葉を投げるように言うと、とっとと中へ入ってしまった。
「……あ、待ってよーっ」
慌てて追いかけた。
「ギャーーーーーッ」
わーーーっ!?
ななななんだなんだっ?
一歩足を踏み入れた途端、悲鳴としか例えようのない……ない……。
……悲鳴が聞こえてきた。
びくっと肩を揺らして後ずさる。
「…およ」
突如、押し寄せた人並みに揉まれ、ぽーいっと放り出されたあたし。
そうか。
あの悲鳴は、憧れの星野楓に向けられたものか。
そんなすごい天才なんなら、バイオリンをやってる子にとっては憧れそのものだよね。
…まあなんかちょっと違う意味も含まれてる気もするけど。
「星野くぅん❤」
「きゃあきゃあ!」
「星野くんここ教えてーっ」
「あたしも!」
目をハートにした女の子達がわらわらと群がる。
なるほど…。揉まれるってこういうことか。