龍の花嫁~ちはやふる・冬絵巻~

 意識を取り戻した彼は私を見つめる。


 「傷…痛みますか?」



 「そなたは?」



 「私は華と申します。年は十五です。あなた様のお名前は?」



 「……名乗るほどの…者ではない」



 家紋や様相から父は平氏の武者だと言っていた。



 冬を越えれば…次期に源氏の討伐軍が北上して来る。看病は許してくれたが…
深く関わることは禁じられた。
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