龍の花嫁~ちはやふる・冬絵巻~
 「君にこのチケットやる…。俺が姫宮さまに求愛を舞いを捧げよう」


 「!!!?」


 智成さんは私の掌の中に何かを握らせた。


 私は掌を広げて確かめる。


 「『源氏物語』?」


 「俺は光源氏の役で出ている…。見に来い」


 「……」


 彼の装束姿に納得が出来た。彼の姿は光源氏。


 「お返しします」


 私はチケットを返す。

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