最強剣士(仮)女子高生☆
「すずちゃん、自分で話すの?」
すずちゃんと呼ばれた先輩はにこりと笑い、頷く。
そして、ポケットから携帯を取り出した。
・・・あぁ、なんとなくわかってしまった。
先輩は携帯を開くとピコピコと少しボタンを押すと、画面を私たちに向けた。
それは、メールの作成画面だった。
宛先:
題名:
本文:
はじめまして。
私の名前は
森本涼香 もりもとすずか
です。
私は、失声症で声が出せません。
耳は、聞こえます。
剣道部のマネージャーやらせてもらってます。
よろしくね
全て読み終えて森本先輩の顔を見ると、やはりにこりと微笑んだ。
「すずちゃんはさー、去年まで選手であたしより強かったんだけど、一、二ヶ月前から声出なくなっちゃって・・・」
あすみ先輩がしゅんとした表情を見せると、森本先輩がピコピコとまた打ち込む。
は、はやい。
『ごめんね。あたしのせいで、団体も出れなくなっちゃって』
「ん、いーのいーの。一年生も来てくれたし。すずちゃんはちゃんとリハビリしてね?」
『ありがとう』
和むがまたアウェー感を感じる会話が目の前で繰り広げられる。