最強剣士(仮)女子高生☆
「えーっ、かっこいいです!!」

私はぽかんとしてしまった。

失声症って、確かストレスが原因でおきる心の病だった気がする。

由美ちゃん、空気読めないんだろうか?

すると、森本先輩はふふっと笑った。

声ではなく、空気の音で。

『そんなふうに言われたのはじめて。名前は?』

「伊藤です、伊藤由美!どこにでもいる名前ですけど」

『そっか。よろしくね由美ちゃん。あなたは?』

くるりと携帯の向きがかわる。

「私は長谷川悠です。よろしくお願いします、森本先輩」

「じゃ、いーちゃんとはっちゃんだね!ゆーちゃんだとゆーくんと被っちゃうし」

・・・まぁ森本先輩が気分を害さなくてよかった。


そのあとも、森本先輩は由美ちゃんの質問に笑顔で答えていた。

優しい人だ。



「あれ、もう部活終わりですか?」

『うん。今日は先生いないし、見学の人も少ないからね』

「二人とも、今日はありがっちゅー!是非明日も来てねー」

あすみ先輩はかわいらしく投げキッスをしてくださった。

リアクションに困る。


今日の見学はこれで終わった。

「ゆーちゃんさん、また明日も来ようねっ!!」

それは迷い所である。
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