僕のディスティニー!\(^o^)/
「……いや、違う。僕の初恋は断じてボーイズラブにはならないぞ! ……そもそも、本当に漫画やアニメじゃないんだから恋が始まるわけないじゃないかぁ。あっはははは……」
乾いた笑い声が虚しい。
そうだ、僕みたいなキモオタなんてあやたんどころかこのあきくんだって気持悪いとしか思わないに決まっている。それが恋愛だなんてずいぶんと舞い上がっていたものだ。
「なに一人で笑ってんのー? キモいなぁ。おれがあやちゃんじゃなかったのが頭おかしくなる程ショックだった?」
「いや、そんなことないよ……それよりここはどこだい?」
いちいち傷付いてたらきりがなさそうな予感がするので、失礼を失礼とも思っていなさそうな彼の言い種には早いところ馴れた方が良さそうだ。
自分のおかれた状況を把握しようと辺りを見渡した。
広々としたフローリングの床の上に敷かれたピンクのマットレス。更にその上にセッティングされた白いソファーに僕は寝ていた。
テーブルを挟んだ向かい側にはテレビがあって、その他の家具類は白や、ピンクなどの淡い色で揃えられている。リボンを結んだ大きな熊のぬいぐるみと目が合った。
これは女の子の部屋なんか妄想ですらおこがましくて入ったことのない僕ですら分かる程、女の子の部屋だ。心なしかいい匂いがする。
女の子を意識すると、てのひらに妙に汗をかきだした。
「ここー? あやちゃんの部屋だよ」
あきくんはあやたんによく似た天使のような顔で小悪魔めいた笑みを浮かべた。
絶対僕の反応に期待してやがる。
「冗談が過ぎるよー、あきくん。なんで僕なんかがあやたんの部屋で寝てるのかな?」
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