僕のディスティニー！＼(^o^)／
「あ。あやたんだ……」
眼鏡を取った顔は、テレビや雑誌などで見慣れた麗しの美少女の顔だった。
かつてない程の脱力感が全身を襲う。
憧れのアイドルの素顔は、未だに家で中学の時のジャージを着ている僕とたいして変わらないじゃないか――――。
衝撃の事実に本日二度目のブラックアウトを起こしてしまいそうになった。
「なに口開けてんのー。死にかけの金魚みたぁい。ほらどうよ、比べてみ」
促されてやっとの思いで注意を働かせ、比べてみた。
いくら可愛いらしくても男だけあってあきくんの方が少し背が高いし、あやたん程華奢ではない。
やっぱり顔はかなり似ているが、あやたんは口角が少し下がっていて、長い睫に縁取られた団栗眼の瞳はわずかに茶色みを感じとれるが、ほぼ黒だ。
髪も手入れされていないせいで種子が発芽したのを思わせるような寝癖がついているが、いつもテレビで観る時は清楚な黒髪のショートヘアー。
そして驚く程肌が白い。血の通ってない人形のようだ。
一方あきくんは薄い唇を少し尖らせて、アヒルのような口になっている。あやたんに負けたくない負けず嫌いさが出ているようだ。
瞳の色は日本人じゃ珍しいくらいの明るい褐色。珍しさと、琥珀なんかの宝石を光に透かしたような綺麗さからつい見入ってしまう。
髪の色も瞳の色と同じだから、きっと自毛だ。パーマを当ててるのかは分からないが、緩く波打っていて毛先があちらこちらに跳ねている。それと健康的に焼けた肌と鼻の上の方にあるそばかすが合間ってやんちゃそうな印象だ。
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表紙・目次

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