僕のディスティニー!\(^o^)/
なるほど、並べてみればこんなにも違う。でも不思議とあきくんにだけ会えば実際には会ったことのない有名人のあやたんと思い込んでしまう程似てる。
「どうよ」
「……えっ? あの……ええと、眼福過ぎて目がくらんでしまいそうです」
あやたんが目の前にいる事実と、あきくんの威圧感に口ごもりながら答えた。
畏縮してしまい言葉足らずだったが、一人は素晴らしくダサいジャージを着ているのに、もう一人は僕と同じ性の男なのに、奇跡的な程可愛い姉弟だと思う。
こんな時にも親の顔が見てみたいなんて言葉を使うのだろうか。
「もお、そんなのどうでもいいのさ。どっちが可愛いか訊いてるのー。あやちゃんが有名人だから、おれはいっつも弟も可愛いくて当然って感じで言われてあんまり褒めてもらえないからなんか言ってほしいのっ!」
あきくんは不満そうにまくしたてた。
「な、なんでそんなに必死なんだい?」
僕は怯みながらも気になるので尋ねた。
「だってにいちゃん、おれの好きな人に似てるんだもーん。その垢抜けなさ百パーセントで根暗そうな雰囲気がそっくりっ。でもその人、あやちゃんのファンなのさ。おれなんか相手にもしてくれなーい。だから今あやちゃんにすっごい嫉妬中みたいなー」
「そっくり」と言った時、ハートマークでも付いてそうなしゃべり方で可愛らしいと思ったが、そっくりな内容は僕のコンプレックスを挙げられただけだった。
「あんたのくだらない事情なんかで呼ばないでよ。久しぶりにもらえた休みなんだから私は忙しいの。てゆうかこのもっさりした人……? 誰?」
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