ハネノネ
メールの意味がわかった俺は、今すぐヒカルに会わなければいけない気がして
毒予防のマスクを着けて外へ飛び出した。
アパートの玄関を出ると、アパートの前にヒカルがマスクもせずに立ち尽くしていた。
急いで階段を駆け下りた。
「ヒカル!」
「コウスケ…」
俺の名前を呼ぶ声は、今にも壊れてしまいそうで
今すぐにでも塞いでしまいたい衝動を堪えた。
「お前なんでマスクもしないで…っ」
自分のマスクに手をかけてヒカルに着けようとしたら、ヒカルの手がそれを止めた。
「だめだよ…。あたしのために、そんな…」
「じゃあなんで…」
「ハネの病なの」