ハネノネ
マリナ
ハネが降ってきたのは、私が中学3年生のころだった。
偏差値の高い高校に入るために、受験を控えた寒い冬の日だった気がする。
ふと見たニュースで、ハネを見た。
今までにないニュースに、私は釘付けだった。
人間の神経を蝕んでいく羽根
“人間”には決して生えない羽根
なんてまがまがしいものなんだろう
ニュースに見入ってる私がそう呟くと、知らぬ間に隣にいた当時10才のユウヤがそっけなく言った。
「こんなに綺麗な羽根に殺されるなら、“人間”として本望じゃない」
そう言うと、ユウヤは自分の部屋に戻った。
10才のくせに、すべてを悟ったかのようなことを言う。
思春期なのか、単なる反抗期なのか。