ハネノネ
私は高校に入るのを辞めた。
自分たちの死が間近に迫ってくるかもしれないのに、高校などに通って国語だの数学だのを学んだってなんの役にも立たない。
そんなことを学ぶより、もっとハネの事が知りたかった。
周りの人達はそんな私を笑った。
自分たちにはまったく関係ないと信じていたらしい。
そんな人達も今やハネの毒に侵され、もはや生きてはいないのだろうけど。
同級生たちが学校でのうのうと授業を受けている間、私はずっとハネについて調べていた。
しかし、まだロシアでしか降っていなかったため、調べるには限度があった。
普通の人より少しだけ知力が優れていたとしても、私はごく一般的な15才だった。
ネットでハネについてのニュースを調べることぐらいしかできなかった。
そんなとき、
父が、恐らく日本人初の発病者となった。