ハネノネ

ナキとユウヤ







ナキは長い銀色の髪を揺らしながら、僕の後ろについて歩いた。


沈黙に耐えきれず、いくつか質問してみた。



「歳は?いくつ?」



彼女は首を傾げた。



「年齢だよ、自分の生まれた年数」



「“ネン”って、何の単位?」



そう聞かれたら確かに答えられない。

面倒くさいので話題を変えた。



「なんであんなところで倒れてたんだ?」



もしかしたら彼女の家族もハネの病で亡くなってるかも知れないので、“ひとりで”という単語を避けた。


「疲れたから…」


「歩き疲れた?」


「…」



まともな会話ができない、と判断した。

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