ハネノネ
第三章
ハネ
ハネノネ 第三章
ナキが初めて僕に微笑んでくれてから、なんとなく僕らの距離が縮まった気がする。
ナキは表情が少しだけ豊かになった。
出会った頃に比べ、微笑んだり、寂しげな顔をするようになった。
ただでさえ綺麗な顔立ちなのに、表情が動くともっと綺麗に感じるから不思議だ。
そしてナキは事あるごとに、僕に「好き」と言葉を投げかけた。
「ユウヤ、好き」
これも僕が“失言”と思った発言をしたことからだと思う。
しかし、死に際を褒めた僕に対して投げかける言葉だろうか。
ナキは相変わらずわからないことが多い。