ハネノネ
わたしがユウヤのためにできることなど、きっとない。
でもわたしはユウヤが死んでも、ユウヤを好きでいるんだろう。
羽根の生えたわたしを綺麗だと言った時の目
輝いたその目が、わたしの人生の中で一番綺麗だったということを、伝えきれていたかな。
またもう一度、見たいと思う。
だけどユウヤの目は、病の進行による疲労で虚ろだった。
「わたしはハネノネで、子供の頃から死ぬことができなかった」
わたしの声など届いていない。
それでも、どうか
「でも、そんなわたしでも、死ぬ方法がひとつだけある」
ユウヤはわたしの出したハネで死ぬ。
わたしも、ユウヤの毒で死にたいと思うよ。