雨に恋した華 〜君とずっと〜
虹ちゃんの向こうに天井がある事に気付いたのは、その後すぐの事だった。


彼に組み敷かれているんだとわかって、不覚にもドキドキしてしまう。


だけど…


そんなあたしに反し、目の前にいる虹ちゃんは怒っているように見える。


「虹、ちゃん……?」


彼が見せている表情の理由がわからないあたしは、僅かに感じた不安を隠して控えめに言った。


虹ちゃんは何も言わずにため息をついたかと思うと、性急(セイキュウ)に外したネクタイであっという間にあたしの両手首を縛った。


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