雨に恋した華 〜君とずっと〜
「紫の気持ちはどこにある?」


「……っ、虹っ……ちゃ……」


掠れた声を振り絞って答えると、虹ちゃんが切なげに眉を寄せた。


「ちゃんと言って……」


「す……き……」


囁くよりも小さな声で、必死に答える。


「……虹、ちゃ……んっ……。す、き……」


整わない呼吸の合間で一生懸命告げた後、小さく微笑んだ。


「全く……。紫は可愛過ぎるんだよ……」


小さなため息をついた虹ちゃんは、困ったような笑みを浮かべていた。


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