雨に恋した華 〜君とずっと〜
「まぁとにかく、これは紫ちゃんへのお詫びって事で」


「え?」


村上さんの言葉に顔を上げて小首を傾げると、彼は有名な洋菓子店の紙袋を差し出した。


「俺と森と昨日の二人から、紫ちゃんへのお詫びです。本当にごめんなさい」


村上さんにペコリと頭を下げられて、あたしは慌てて体を乗り出した。


「そっ、そんなっ……!」


「あたしもごめんね……。紫ちゃんに、すごく嫌な思いさせちゃったよね……」


森さんは真剣な表情で言って、申し訳なさそうに微笑んだ。


< 131 / 211 >

この作品をシェア

pagetop