雨に恋した華 〜君とずっと〜
ポロポロと零れる涙が、買ったばかりのニットワンピースに落ちていく。


「紫……。泣かないでよ……」


そう言った千晶の瞳にも、涙が浮かんでいた。


「千晶〜……」


お互いの顔を見ながら涙を零したあたし達は、とうとう本格的に泣き出してしまった。


「……もう嫌……。寂しいって……思ってるのは、いっつも……あたしばっかり、なんだもっ……ん……」


「紫〜!泣かないでよ〜……。あたしまで……釣られるじゃん……」


「……っ……うぅ〜……」


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