雨に恋した華 〜君とずっと〜
恥を曝(サラ)してばかりだったあたしは、居場所を失ったように小さくなるしか無かった。


限界まで恥ずかしさを感じていたから、とにかくこの場から離れたくて…


「あの、コーヒーでも淹れて来ますね……」


小さく言いながら立ち上がって、ワンピースの裾を気にしながらキッチンに行った。


例え数歩の距離でもあの場所から離れられた事に安堵して、ホッと胸を撫で下ろす。


「紫ちゃん、あたしも手伝うわ」


あたしの後から来た森さんが、優しい笑顔で言った。


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