雨に恋した華 〜君とずっと〜
「その様子だと、長谷川君から事情を聞いたみたいね」


「あの、ごめんなさい……」


「イイのよ。紫ちゃんが不安になるような事しちゃったのは、あたしの方なんだから……」


森さんは申し訳なさそうに言った後、自嘲気味に微笑んだ。


「情けないんだけどね、誰かに恋をしたのなんて久しぶりだから、どうしたらイイのかわからなくて……。あんなつまらないやり方しか思い付かないのよ……」


少女のような戸惑いを浮かべる彼女を見て、本当に村上さんの事が好きなんだと思った。


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