雨に恋した華 〜君とずっと〜
何も教えて貰えないあたしは、ハンドルを握る虹ちゃんに行き先を委(ユダ)ねるしか無い。


彼はしばらく車を走らせ、大きなビルの地下駐車場に車を停めた。


「ここで何するの?」


「腹減ってない?」


「えっ?まぁ、ちょっと空いてるけど」


「じゃあ、ちょうど良かったよ」


虹ちゃんに車から降りるように促され、不思議に思いながらもドアを開ける。


「ご飯でも食べるの?」


笑顔で頷いた彼は、あたしの手を引いてエレベーターで最上階に上がった。


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