雨に恋した華 〜君とずっと〜

最初に運ばれて来たのは、ノンアルコールのカクテルだった。


目の前に置かれた淡いブルーのカクテルに戸惑っていると、虹ちゃんが笑顔で口を開いた。


「今日は紫の卒業祝いだよ。この間の埋め合わせ」


グラスを持ち上げた彼に視線で促されて、ドキドキしながら綺麗なグラスに手を掛ける。


「じゃあ、乾杯。紫、卒業おめでとう」


「ありがとう」


優しい笑顔でお祝いをしてくれた虹ちゃんと乾杯をして、ほんの少しだけ戸惑いながらもグラスにそっと口を付けた。