雨に恋した華 〜君とずっと〜
カクテルは仄(ホノ)かに甘くて、後味はサッパリとしていた。


「美味しい」


ほとんど無意識に呟いたあたしを見て、虹ちゃんがすごく嬉しそうに瞳を緩める。


運ばれて来た料理はどれも綺麗に盛り付けられていて感動する反面、マナーも知らないまま食べるのが何だか申し訳ない気がした。


「そんなに緊張しなくても大丈夫だから」


虹ちゃんは何度もそう言ってくれたけど、あたしの緊張は中々解けなかった。


そんなあたしを余所に、彼はずっと楽しそうに笑っていた。


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